病気について

ワクチン接種に公的補助を

(2009/10/09)

 10月7日、秋田県に対してワクチン接種で救える病気に対する公的補助の要望書を手渡してきました。

ワクチン接種に公的助成を                  

秋田県小児科医会会長  澤口 博
(社団法人 日本小児科医会 秋田県支部)

 感染症の中にはワクチン接種により防げるものや、ワクチン接種以外には有効な治療法がないものがたくさんあります。しかし任意接種のため接種したくても断念している保護者も多いのではないでしょうか。秋田県は麻しん風しんワクチン(MRワクチン、定期接種)の接種率は全国トップクラスで、水ぼうそう(任意接種)の接種率も非常に高く全国的にも高く評価されています。これは保護者が子どもの健康や予防接種に対する意識が非常に高い現われです。2008年12月から始まったヒブワクチンも高価で製造量が少ないため数か月待ちにも関わらず順番を待っている人がたくさんいます。また近い将来、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)や小児用肺炎球菌ワクチンなど発売されます。ヒブワクチンを含めすべてが費用対効果(ワクチン接種に要する費用と疾病に罹患した場合の比較)にすぐれ、ぜひ接種してもらいたいワクチンです。
 自治体によってはヒブ発売前から公的補助を決定したところ(鹿児島市)もあり、その後補助を行う自治体も増加していますが秋田県では全くその動きがありません。東京都など財政的に豊かな所は小児医療費の自己負担無料化のみならず各種の任意ワクチン接種に対して手厚く補助しています。一方秋田県は全国一の少子高齢化で経済的基盤も弱いため子育てが出来難い状況です。本来であればこのようなワクチンはすべて定期接種化し、誰でも負担なく受けられるのが当然ですが、日本は予防接種に関しては後進国ですので先の長い話でしょう。住んでる所によって健康サービスに格差があるのは不条理です。安心して子どもを生み育てられる秋田県にするため、必要なワクチンを多くの子供たちが受けられるよう公的補助について格段のご配慮をお願いします。

 ヒブワクチン(インフルエンザ菌b型)
 乳幼児の細菌性髄膜炎の原因菌として最多、初期には診断困難で発症すると高率に死亡、後遺症を残す。ワクチン接種で確実に予防可能。費用は4回の接種でおよそ3万円。

 HPVワクチン(人パピローマウイルス)
 子宮頸がんの原因ウイルスであり、ワクチンにより70~80%が予防できる。費用は3回接種で3~4万円と予想されている。

 肺炎球菌ワクチン  
 細菌性髄膜炎の原因菌としてはヒブに次いで第2位。難治性中耳炎や肺炎の原因菌でもある。費用はヒブと同様で4回の接種で3万円程度と予想されている。              

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